述井庸治に

《国際会議四日目》


 午前中の会議が終わりランチブレイク、私はカフェテリア(社員食堂)へ昼食を食べに来た。
そこで、私のワークショップグループのメンバーの一人を見つけ、そのテーブルに行った。
「Can l sit down here?」(座ってもいいか?)
 と尋ねた。
 彼は「OK」と答えたが、なんとなく昨日と雰囲気が違う。
昨日も彼と昼食を共にした。
 午前中のミーティングで、彼は他の参加者と意見が対立した。
結論はでなかったが、彼の考え方は理解できる。
 そこで私は
「I can understand what you said. 」(あなたの言ったこと理解できるよ)
 と言った。
 すると彼は喜んでいろいろな話しをしてくれた。
しかし、今日の彼は昨日の彼とまったく違う。自分の食事を済ませると
「じゃあな」
 と席をたった。
明らかにお前とはもう話したくないという感じだった。
私は唖然として彼を見送った。
「なぜ?」
 といろいろ考えた。本当の理由は今でも分からない。しかし、思い当たることが1つある。
それは、昨日彼とランチブレイクを共にした数時間後のコーヒーブレイク、その時私は彼と対立した参加者と会話した。
 私はその参加者の考えも理解できる。そこで
「I can understand what you said. 」(あなたの言ったこと理解できるよ)
 と言っていたのだ。
 同じ部屋でコーヒーブレイクをしていた彼は、きっとこの話を聞いていたのだろう。
そして、どちらにもいい顔をするいい加減な私が許せなかったのではないだろうか。
 自分の意見を言うよりも他人の言うことを理解しようとする日本人、調和を大事にする日本人。
しかし、この行為は時々誤解されることがある。気をつけねばならない。